呉市の住宅改修補助金ガイド|制度の選び方と申請の流れ
投稿日:2026.10.29
リフォーム会社から見積書は届いた。まだ契約はしていない。「補助金が使えるなら使いたいけれど、何から調べればいいのか分からない」。いま、そんな状態ではないでしょうか。
最初にお伝えしたいのは、補助金は「契約する前」に動かないと間に合わないことが多いという点です。多くの補助制度では、申請して市などから「交付決定(補助金を出すと正式に決まること)」を受ける前に契約や着工をすると、補助の対象から外れます。
たとえば呉市の木造住宅の耐震改修補助の案内には「交付決定通知前に工事の契約又は着工した場合は,補助対象になりません」と書かれています。細かい条件は制度ごとに違うため、申請前に必ず各制度の要項(ルールを書いた公式文書)で必ず確認しましょう。
また、「住宅改修」という言葉には2つの意味が混ざっています。ひとつは呉市などが行う耐震・省エネ・空き家向けの補助、もうひとつは介護保険の「住宅改修費」です。この2つは仕組みも窓口もまったく別です。
この記事を読めば、次の3つが分かります。
- 自分が使えそうな制度の種類
- 契約の順番で失敗しないための流れ
- 今年度に間に合わない場合の次の一手
※本記事の確認日は2026年10月17日です。最新の内容は呉市の担当課や公式サイトでご確認ください。
呉市で使える住宅改修の補助制度と費用の目安

呉市で住宅改修に使える補助は「市の制度」「国・県の制度」「介護保険」の3系統に分けて考えると整理しやすくなります。系統ごとに窓口・申請時期・対象工事が違うので、まず自分の工事がどこに当てはまるかを把握することが、補助金を取りこぼさない第一歩です。
呉市の主な補助・助成制度の一覧
市町村の住宅補助は、一般的に次のような目的別に設けられています。呉市で今年度どの制度が実施されているか、補助額はいくらかは年度ごとに変わるため、下の表は「探す時の目安」として使ってください。
| 制度の種類 | 主な対象工事 | 補助額・補助率 | 対象者の主な条件 | 問い合わせ先 |
|---|---|---|---|---|
| 耐震関連の補助 (呉市木造住宅耐震改修等助成事業/広島県木造住宅耐震化促進支援事業・令和8年度) |
耐震改修・建替え・除却 (耐震診断は別の補助制度あり) |
耐震改修:居住誘導区域内の住宅は工事費の80%かつ115万円/住戸が上限。 区域外の住宅は工事費の23%かつ30万円/住戸が上限。 |
昭和56年5月31日以前に着工した一戸建て木造住宅で、自分が所有して住んでいること。 耐震診断で耐震基準を満たしていないこと。 |
呉市都市部建築指導課 |
| 窓関連の補助 | 窓 | 補助金の交付は1世帯につき1回限りで,工事に必要な経費(税抜)に4分の1を乗じて得た額(1,000円未満の端数が生じる場合は,これを切り捨てた合計額)又は100,000円のいずれか低い方の額 |
市内に住所を有し,現に居住している又は居住しようとする市内の住宅に補助対象設備を設置する個人(賃貸の場合は,建物所有者の同意を得ること)であること。 |
呉市環境政策課 |
| 介護保険の住宅改修費 | 手すり・段差解消など | 要介護認定を受けている方(要支援1~要介護5)で,住民票のある住宅について利用できる上限額は20万円(その内のかかった費用の1割,2割または3割が自己負担)です。 | 要介護・要支援の認定 | ケアマネジャー・ 地域包括支援センター |
耐震改修の補助を受けるには、呉市木造住宅耐震診断事業で「上部構造評点(建物の地震への強さを表す数値)が0.7未満」と判定される必要があります。
また、この補助は予算の範囲内での先着順の募集で、案内には「予算がなくなり次第終了となります。(13棟)」とあります。予算枠は13棟で、そのうち居住誘導区域外の耐震改修に使えるのは2棟、ZEH加算は1棟です。令和8年度の申込期限は令和8年8月31日(月)でした。本記事の確認日(2026年10月17日)の時点で、今年度の申込期限は過ぎています。
制度は年度ごとに予算や内容が見直され、予算に達すると受付を早めに締め切る場合もありますので、最新の要項は、呉市の公式サイトか担当課でご確認ください。
国・広島県の制度と介護保険の住宅改修費
市の補助とは別に、国が行う省エネ住宅向けの補助や、広島県の制度があります。上の表の耐震改修の補助も、広島県が呉市と一緒に出している制度です。国の制度は、登録された事業者が手続きを行う仕組みのものが多くなっています。依頼する業者が対象の事業者に登録されているかを、見積もりの段階で確認しておきましょう。
介護保険の住宅改修費は、まったく別の仕組みです。要介護・要支援の認定を受けた方が、手すりの取り付けや段差の解消などを行う時に使えます。窓口はケアマネジャー(介護の計画を作る専門職)か、地域包括支援センターです。工事の前に事前申請が必要とする自治体が一般的なので、まずケアマネジャーに相談してみてください。
工事費と諸費用の一覧
補助金を考える時に見落としやすいのが、「工事費のすべてが補助の対象になるとは限らない」という点です。
| 費用の種類 | 内容 | 補助の対象になるか |
|---|---|---|
| 本体工事費 | 耐震補強・断熱・手すり設置などの 工事そのもの |
対象工事に当てはまれば 対象になりやすい |
| 診断・調査費 | 耐震診断・現地調査など | 制度によって別の補助がある場合も (呉市には耐震診断の補助制度あり) |
| 設計・証明書の費用 | 図面作成・性能証明など | 対象外になりやすい (要項で確認) |
| 付帯工事費 | 補助対象外の内装変更・ 設備のグレードアップなど |
対象外になりやすい |
| 申請書類の作成費 | 書類作成の手数料など | 対象外になりやすい |
「どこまでが補助対象か」を項目ごとに分けた見積書を業者に頼むと、判断がぐっと楽になります。呉市・東広島市のリフォーム費用の目安は、施工事例のページでも確認できますのでご参考に。
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実際の自己負担の考え方
自己負担は「工事費の合計 − 補助金の額」で考えます。補助の対象にならない費用は全額自己負担です。
また、補助金は工事が終わって完了報告をした後に支払われる仕組みが多く、いったん工事費の全額を自分で立て替える必要があるかもしれません。
呉市の耐震改修補助でも、工事完了実績報告書は「施工業者への支払いを完了する必要有」とされ、審査を経て補助金額が確定してから振り込まれる流れです。支払い時期は制度ごとに確認し、資金計画に組み込んでおきましょう。
自分に合う制度の選び方・比較

結論として、制度選びは「何のために工事をするのか」という目的から逆算するのが一番の近道です。目的がはっきりすれば、申請先も申請の時期も自然と決まります。逆に、目的を決めずに「使える補助金を全部探す」と、締め切りや条件の違いに振り回されて時間を失いがちなので注意しましょう。
目的別の早見表:耐震・省エネ・空き家・介護
| 目的 | 向いている人 | 主な対象工事 | 申請先 | 申請の時期 |
|---|---|---|---|---|
| 耐震 | 古い木造住宅で 地震が心配な人 |
耐震診断・耐震改修・ 建替え・除却 |
呉市都市部建築指導課 | 契約・着工の前 (耐震診断→事前協議→申込み)。 令和8年度は8月31日締切(先着順) |
| 省エネ | 冬の寒さ・光熱費が 気になる人 |
窓・断熱・給湯器 | 国の事務局・呉市など | 制度ごとに異なる (業者経由が多い) |
| 空き家 | 相続した空き家を持つ人 | 空き家の改修 | 呉市の担当課 | 契約・着工の前 |
| 介護 | 親の介護で手すり などを急ぐ人 |
手すり・段差解消 | ケアマネジャー経由で市へ | 工事の前(事前申請) |
たとえば、築年数の古い木造住宅で地震が心配な方は「耐震」の行、親の退院に合わせて手すりを付けたい方は「介護」の行、相続した実家をどうするか迷っている方は「空き家」の行で確認を始めてください。
対象になるかの確認ポイント
申請の前に、次のチェックリストで自分の状況を整理しておくと、窓口での相談がスムーズです。
- [ ] 建物の建築時期(着工した日・建築確認を受けた年)が分かる書類がある
- [ ] 申請者が建物の所有者、または居住者である
- [ ] 市税などの滞納がない
- [ ] まだ契約・着工していない
- [ ] 工事を頼む業者の所在地などの条件を満たしている(制度による)
耐震関連の制度では、国の耐震基準が大きく変わった1981年(昭和56年)の前後で建てられた時期を区切る考え方が一般的です。呉市・広島県の木造住宅の耐震改修補助(令和8年度)では、対象を「昭和56年5月31日以前に着工された一戸建て木造住宅」としています。手元に建築時期の分かる書類がない場合は、担当課に確認方法を相談しましょう。
併用できる組み合わせ・できない組み合わせ
尚、一般的に同じ工事に対して複数の補助を二重に受けることはできません。一方で、「耐震工事は市の補助、窓の断熱は国の補助」のように、工事の部分ごとに別の制度を使えるケースはあります。
どの組み合わせが併用できるかは制度の要項次第なので、自己判断はせず、申請前に担当課に「この組み合わせで併用できますか」と確認してください。この一手間で、後から補助が取り消されるリスクを避けられます。
申請から工事・補助金の受け取りまでの流れ

結論は一つ、「交付決定の前に契約・着工しない」ことです。これさえ守れば、補助金の失敗の大半は防げます。手続きは複雑に見えますが、順番を押さえれば迷うことはありません。
全体の流れ
- 相談・制度の確認
- 見積もり・(必要な場合は)耐震診断などの調査
- 補助金の申請(呉市の耐震改修補助では、申込みの前に「事前協議」があります)
- 交付決定(市などが補助金を出すと正式に決めること)
- 契約・着工
- 工事完了・完了報告
- 補助金の受け取り
④の交付決定より前に、⑤の契約・着工をしないでください。 見積書をもらった段階で業者から「早く契約しましょう」と言われても、補助金を使う予定があるなら交付決定まで待つのが鉄則です。
申請前に準備する書類と期間の目安
一般的に求められることが多い書類は、次のとおりです。
- 申請書(市などの指定様式)
- 工事の見積書(補助対象の工事が分かるもの)
- 工事前の写真
- 図面や工事の内容が分かる資料
- 住民票や納税証明書など、本人確認・条件確認の書類
必要な書類は制度ごとに違うため、上のリストはあくまで目安です。工事を始めたい時期から逆算し、余裕を持って担当課に審査期間を確認しておきましょう。
工事中・完了後にやること
工事中は、施工前・施工中・施工後の写真をそろえておくことが大切です。完了報告で「工事中の写真」が必要になる制度は多く、撮り忘れると補助金を受け取れない原因に。業者に写真の撮影を頼んでおくと安心です。
また、工事の途中で内容を変える場合は、変更の届け出が必要になることがあります。完了報告の期限や領収書の扱いも、交付決定の通知書で必ず確認してください。
業者に任せられること・自分でやること
書類の作成や写真の準備は、業者の協力を得て進められます。ただし、申請者はあくまで施主本人です。申請内容に責任を持つのは自分だということを忘れず、提出前に内容に一度は目を通しておきましょう。相談の際には「どこまで書類作成を手伝ってもらえるか」を業者に確認しておくと、役割分担がはっきりします。
よくある失敗例と注意点

補助金で損をするケースは、知識不足というより「順番」と「確認不足」で起きることがほとんどです。ここでは、地元のリフォームのプロから見て特に多い失敗のパターンを紹介します。自分の状況に当てはまらないか、チェックしてみてください。
失敗①:交付決定の前に契約・着工してしまった
もっとも多く、取り返しがつかない失敗です。「申請はしたから大丈夫」と思って交付決定を待たずに契約すると、補助の対象外になることがあります。申請と交付決定は別物です。交付決定の通知を受け取ってから契約する、と覚えておきましょう。
失敗②:予算の締め切りに間に合わなかった
市の補助は年度ごとの予算で動いているものが多く、予算に達すると受付期間の途中でも締め切られる場合があります。
呉市の木造住宅の耐震改修補助(令和8年度)は、枠が13棟の先着順で、申込期限は令和8年8月31日(月)でした。予算がなくなれば、それより前でも終了になるため、「年度末までに申請すればいい」と考えていると間に合いません。来年度の制度の発表を待ち、その間に耐震診断や見積もりを済ませておくのが現実的な次の一手です。
失敗③:補助対象外の工事まで含めて計算していた
補助額を工事費の総額から計算してしまい、実際の補助が想定より少なかったというケースです。先ほどの表のとおり、設計費や付帯工事は対象外になりやすいもの。見積もりの時点で「補助対象」と「対象外」を分けてもらいましょう。
失敗④:資金計画で「立て替え」を考えていなかった
補助金は完了後に支払われることが多いため、いったん全額を支払う資金が必要です。
呉市長ノ木町で外壁・屋根塗装をされたK様は、工事前の悩みとして「予算と返済計画」を挙げておられました。補助金を使う場合も同じで、立て替えの期間を含めた資金計画を、契約前に業者と一緒に整理しておくことが大切です。
呉市の地域事情と住宅改修で知っておきたいこと
呉市で住宅改修を考える時は、制度だけでなく「呉市の家ならではの事情」も押さえておくと、工事の計画が立てやすくなります。この地域で多くのお住まいを見てきた経験から言えることは、坂や斜面地、島しょ部など、場所によって工事の段取りが大きく変わるということです。
坂・斜面地の住宅は工事の段取りが変わる
呉市には坂の上や斜面地に建つ住宅が多くあります。道が狭い、車が家の前まで入れないといった条件があると、資材の運搬や足場の設置に手間がかかり、工期や費用に影響することも。補助金のスケジュールを立てる時は、こうした現場条件も含めて業者に工期を確認しておきましょう。
なお、呉市の耐震改修補助では、住宅が「居住誘導区域」の内か外かで補助の上限が変わり、土砂災害特別警戒区域内での建替えは補助の対象になりません。自宅がどの区域に入るかも、早めに担当課で確認しておくと安心です。
島しょ部・離れた地区でも相談できる
下蒲刈の外壁塗装のお客様S様は、工事前の悩みとして「橋はつながっていますが離島なので工事をしていただけるか」「建物は築35年以上になり、家全体が傾き」と話してくださいました。島しょ部や中心部から離れた地区にお住まいの方も、まずは対応エリアかどうかを気軽に問い合わせてみてください。
呉市・東広島市・広島市の地域密着。施工事例やお客様の声、屋根・外壁の無料診断を掲載しています。
地元の相談会で制度の「今」を聞く
制度は年度ごとに予算や内容が見直されるため、インターネットの情報だけでは「今年度も同じ条件か」が分からないことがあります。
呉市の担当課に直接問い合わせるほか、地元のリフォーム会社の相談会や無料診断の機会を使って、最新の制度の状況と自宅の工事内容をあわせて相談するのがおすすめです。契約の前に相談しておけば、補助金を使える順番で計画を立てられますよ。
参考文献
- 木造住宅耐震改修等工事に補助(呉市木造住宅耐震改修等助成事業)|呉市 — 事業概要
-
呉市断熱窓設置費補助金のお知らせ|呉市ー環境政策課
-
住宅改修について|呉市ー介護保険課









